ベランダで楽しむトマト作り

トマト

 

ベランダで上手にトマトを育てるには日当たりを良くして、人工受粉、摘花、摘果、茎の誘引などの作業を適期に行うことが大切です。

 

プランターは草丈に応じて高さが調整できるように2つの台を重ねたうえに置くと強風による茎折れをふせぐことができます。

 

トマトはもともと地這い植物なので草丈が伸びると不安定になりやすく、強風で茎や葉が折れやすくなります。

 

移植後1か月くらいで4番花が咲き始めるころにはプランターを乗せる台を低くして、茎を斜めに誘引しながら徐々に水平方向に伸ばしていきます。

 

トマトの生育適温は25〜28度で30度以上の高温になる梅雨明けの頃には草勢が落ちて枯れてしまいます。

 

苗は15〜20リットルで深さ25〜30cmのプランターに1株植え付ければ、ミニトマトで7〜8番花房まで収穫が楽しめます。

 

トマト作りが初めての方は大玉トマトよりミニトマトの方が病気(尻腐れ症)に強く、長く収穫が楽しめるのでお勧めです。

 

 

日当たりが良くなるポイント

トマト

 

トマトは強い光が必要な野菜の一つで、直射日光ができるだけ長く当たるような場所に置くことで生育も早くなります。

 

ベランダの塀や柵は日光をさえぎるので塀の高さよりやや低い台(20〜30cm程度)にプランターを乗せることで日当たりが改善されます。

 

トマトは生長すると草丈が伸びて不安定になりやすいので、生長に応じて台の高さを変えることで風による倒伏や葉折れを防ぐことができます。

 

台の高さを変えるには高さの同じ台を2つ作り、初めは2段重ねてプランターを置き、3〜4番花が咲くころに1つの台を取り外します。

 

たとえば塀の高さが120cmの場合、45cmの高さの台を2つ作り、重ねて90cmの高さでも使えるようにします。

 

支柱は3〜4番花が咲くまでは1本で十分ですが、それ以降は誘引するために台や支柱同士も金具等で固定します。

 

人工授粉はどうするの

 

ベランダでも小型の蜂が飛来することもありますが、虫による受粉はほとんど期待できないので人工的に受粉する必要があります。

 

トマトの花が咲き始めたら、気温が高くなる前に(9時ごろ)花房を指で軽くはじくと花粉が飛び散るのが確認できます。

 

人工受粉は3〜4個の花が開花し始めたら1日に1〜2回、数日続けると1週間ほどで小さな果実が見えるようになります。

 

開花は房が枝分かれしたりすると揃わなくなるので、枝分かれした場合は太い枝を1本に剪定してから人工授粉します。

 

一番花は確実に受粉させないと養分が葉や茎の生長に回され(つるぼけ)、実付きが悪くなります。

 

ただし一番花には実が付きすぎると上位節の開花が遅れるので、着果してから通常の半分程度に摘果しましょう。

 

摘花や摘果はどうして必要なのか

ミニトマト

 

摘花とは必要以上に花を咲かせることなく、必要な着果数に達したら残りの花を切り落とすことで、果実の肥大や上位節の開花を促します。

 

プランター栽培では根の量が決まっているので、摘花や摘果をしないと上位節の生育が遅れるので収穫量も落ちてしまいます。

 

摘果の目安はミニトマト8個、ミディアムトマトが4個、大玉トマトが1〜2個です。

 

1番花は受粉させる必要はありますが、果実数が多いと2番花以降の生育が遅れてしまうので、半分くらいの数に抑えましょう。

 

摘果は果実の大きさを揃えるためのもので、上記の目安で摘花したとで粒の小さな果実は摘果します。

 

水平に誘引して収穫量を増やす

トマトの誘引

 

トマトは3〜4番花が咲き始める頃になると上位葉の重さで不安定になりやすく、強風が吹くと倒伏したり葉が折れたりするようになります。

 

茎の誘引は3〜4番花が咲く時期に茎を少し斜めに倒して支柱に固定して最終的に水平に誘引していきます。

 

トマト農家ではお馴染みの誘引作業は大きさの揃ったトマトをできるだけ多く収穫するためにプランター栽培でも大事な作業になります。

 

通常のプランター栽培では茎を垂直に固定するので上位節になるほど実は小さくなり収穫できる房数にも限界があります。

 

6〜8番花が熟したミニトマト(6月)

 

誘引作業は茎を折らないように数回に分けながら、斜めから最終的に水平になるように横へ伸ばしていきます。

 

支柱は表面にギザギザした突起物があるタイプを使うと風に拭かれても固定した紐がずれることが少なくなります。

 

葉かぎや芽かぎは何のためにするの

イエローアイコ

 

葉かぎは1株の葉数を決めて草勢をコントロールしたり、風通しや日当たりを良くすることで病気の蔓延防止するのが目的です。

 

下段の葉は収穫が終了した時点で摘葉し、上段の葉は花房の反対側を摘葉することで尻腐れ病の防止につながります。

 

光合成能力が低い葉は日当たりのよい上段葉から養分を分配してもらわないと維持できなくなると枯れてしまいます。

 

葉かぎは光合成産物を果実に効率的に分配することや風通しを良くすることで葉かび病などの蔓延を防止することです。

 

わき芽も同様に放置すると養分が分散されてしまうばかりではなく、尻腐れ症などを誘発するのでこまめに除去しましょう。

 

尻腐れ症の対策

 

尻腐れ症はカルシウムが不足することで起こるとされている生理障害ですが品種や栽培方法でも発病しやすくなることがあります。

 

発生が多いのは大玉トマトや中玉トマトで、3番花以降の発生が多くなる傾向にあります。

 

カルシウムは植物に吸収されても移動しにくいので、わき芽が伸びたり、葉が茂り過ぎたりすると欠乏症状が出やすくなります。

 

葉の茂り過ぎは花の咲いていない若苗を植えると起こりやすくなるので一番花が咲いた老化苗を定植するようにしましょう。

 

尻腐れ症が発生したら回復することはないので、早めに除去して上位節へ養分が届くようにします。

 

尻腐れ症対策の詳細は別の記事で紹介していますので参考にしてください。

 

トマトに適したプランター選び

 

トマトは葉数が多くて大きい葉を育てる野菜に比べると1株あたり15リットル以上の容量があれば十分育てることができます。

 

20リットルくらいの角型プランターであれば2株育てられますが、丸型プランターに1株育てたほうが誘引などの作業が楽にできます。

 

プランターは深さ25cmくらいあるタイプの方が水分の保持時間が長いので水分不足にならないように毎日1回たっぷり潅水します。

 

深さのあるプランターの場合はプランターの底から水分が流れ出るくらい施さないと水分不足になりやすいので注意しましょう。

 

果実が熟し始めたら下位葉は早めに取り除き、定期的な摘葉で風通しを良くしながら病気の発生を防ぎます。

 

お勧めのトマトランキング

 

ミニトマトは品種によって粒の大きさに違いがあり、小粒の品種では10g以下、大粒になると20g以上にもなります。

 

スーパーで販売されているミニトマトのほとんどは10〜15gの粒のもので、規格外の極小粒のものは10g以下です。

 

食味の決め手は糖度が高いことばかりではなく、酸味とのバランスが非常に重要なポイントとなっています。

 

オレンジ系のトマトはレッド系のトマトに比べると酸味が少ないのでレッド系とは評価が分かれるところです。

 

お勧めの品種は大玉、中玉、ミニトマトごとにランキングしていますので参考にしてください。

 

 

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